医療事務は、就業スタイルが豊富なので、どんな生活状況でも働き続けることが可能です。
未婚の独身時代は、正職員で経験を積んで技能を培い、結婚後は、派遣職員で仕事をし、育児中はパートで仕事を続けていくなど、経験を通じて専門的な知識や技能を身に付けてさえいれば、年齢に関係なく、どこでも職に就くことができる職業です。
医療事務は、生活環境の変化が頻発する女性にとっては、培ったキャリアを無駄にすることなく、いつでも活かすことができる価値ある仕事です。
医療事務のパートの給料や待遇などは、正職員と同様で、本人の経験(キャリア)や技能(スキル)により差があるのは当然のことと言えますが、ここでは平均的な収入金額、待遇などについて紹介します。
医療事務(パート)の給料・各種税金について
平均的な時給相場はいくら?
パートの医療事務職の平均的な時給は、派遣社員よりも少し安めの800円から上は1,200円くらいまでが一般的な金額といわれています。
専門的な技能を要する医療事務のような仕事でも、まだまだ一般企業の事務と同列に考えているところもあり、時給も高いわけではありません。
ですが、医療事務は医療機関にとって貴重な人材ですので、現在はパートであっても技能や経験を積んでスキルアップすることによって正社員(正職員)への登用や時給アップへつなげることも可能です。
実務経験があれば時給1000円以上で働くことも
今までに医療事務の実務経験を積んでいれば、時給800円台の一般的相場より、1000円から1200円の高い時給で求人募集している医療機関も少なくありません。
やはり、即戦力になる実務経験者はパートでも就職の際には有利となります。
実務経験者の求人募集は、医療事務の専門知識に基づいて、レセプト作成や点検業務ができる能力を有した即戦力人材が求められる場合がほとんどです。
特にレセプト業務に関しては、病院・歯科医院・診療所などの医療機関の医業経営に直結した業務になり、医療事務が重要な役割を担うことになります。
実務経験がなくても医療事務の資格を取得している場合は、レセプト業務の知識や技能があることをしっかりとアピールすることで、採用される確率も高まり、時給についても相談しアップしてもらえる可能性も出てきます。
パート収入が多すぎると税金がかかる
パートでも収入が多ければ課税され税金がかかるので、パート勤務の際は年末近くになると収入総額に注意しながら労働時間をセーブする必要があります。
2017年末までは、年収から合計103万円(基礎控除額38万円と給与所得控除額65万円)を引いた金額が所得税の課税対象となります。
103万円を越えなければ税金はかからず、夫の扶養家族として配偶者控除の適用対象となりますが、103万円の壁を超えた場合は扶養家族から外れ所得税を支払う必要があります。
また、130万円を超えれば健康保険や年金などの社会保険料の支払いも生じてきますので、配偶者控除から外れるだけでなく、合わせると年間十数万円以上手取りが減ることになります。
さらに多くの地域では、所得100万円以上で住民税の課税対象になっており、支払う義務が生じます。
なお、配偶者控除の適用を受けれる金額は2018年以降は150万円までに引き上げられましたが、住民税や健康保険・厚生年金などの社会保険料は従来通り法的に適用されるので、150万まで稼いで逆に損したということになりかねませんので、注意が必要です。
人件費の削減対象になりやすい
病院だけでなく多くの企業では経営状況が悪化した場合、固定費が第一の削減対象になります。
固定費とは、人件費・家賃・設備レンタル料など、売上の増減に関係なく出費するお金のことです。
固定費の内でも人件費が真っ先にやり玉に挙げられ削減対象になることが多く、パート・派遣・社員の順番で解雇対象になっているのが現場の実状です。
即日で解雇するというやり方は、労働基準法上できませんが、まず第一にパートタイマーから解雇されるというのは避けられない事実ですので、景気が悪くなってきた場合は、このようなリスクがあることも認識しておくべきです。
パート 医療事務の平均的な収入と勤務時間
歯科医院のパートの場合- 時給:1,000円〜
- 勤務時間:週3〜4日勤務
- 時給:850〜1,000円程度
- 勤務時間:週3日勤務
- 時給:850〜1,000円程度
- 勤務時間:シフト制
医療事務のパートとして働く場合のメリット・デメリット
メリット
- 自由に勤務日数や時間帯を選択できる
- 休みが取りやすい
- 短期期間・短時間労働も可能
- 休日出勤や残業がほとんどない
- 勤務条件を自由に選べ希望する職場で働きやすい
- 交通費は全額支給されることが多い
- 仕事の責任度合いは比較的軽い
- 自宅近辺で仕事を探すことができる
- 求人募集が多い
- 実務経験があれば採用されやすい
- パートの募集は年齢50歳くらいまである
デメリット
- 時給が安く収入は期待できない
- 経営状態が悪くなればリストラ対象の第一候補になりやすい
- 短時間労働の場合は社会保険に加入できない
- 年間103万円を超えると税金がかかる
(2018年以降は150万円超が課税対象)