医事課業務はここが大切!
必要な診療報酬点数は覚えること
医療事務の基本として、診療報酬点数の概要や治療と、仕事で頻繁に使用する点数などは把握しておくことが大切です。
診療報酬点数については、膨大な情報量があり、定期的に制度改正も実施されるので、変更点をチェックするのも大変な労力がかかり、全項目を記憶するのは無理だと思います。
但し、働いている職場で繰り返し使用される項目については、最低限記憶しておく必要があり、それすら覚えていないと業務を円滑に進めることはできません。
また、診療報酬点数表を見て、自分の確認したい個所を素早く見つけれることも必要ですが、必要な勉強をしていなければ、それすらできないことになりますので、仕事を進めていく上での最低条件ともいえます。
継続して学習し続けようとする向上心
カルテに記載されている内容がレセプトにきちんと反映されているかを、チェックするだけがレセプト点検業務だと思っている方もいると思います。
確かに正論はそのような状態になっているべきだと思いますが、医師や看護師は患者さんの治療に全神経を注いで仕事を行っていますので、目の前の患者さんに治療を行いながら、実施した行為の都度、逐一手を止めて記録していくことは現実的に無理があります。
なので、診療処置を行い作業の区切りのよいところでまとめて記録しているのが実状ですから、カルテの記載漏れが起こることもあります。
医療事務員は、診療報酬請求業務のプロとして、医療専門職の医師を補助するという重要な役割を担っています。
よって、病名の記載漏れだけでなく、医師が行った治療行為に対しては、どんな医薬品を使用すべきかなどの医療知識は理解しておき、間違いがあればすぐに気付いて指摘できるくらいの技能は必要になります。
また、状況が異なれば、同様の処置を行った場合でも、特別な状況に対処した行為に対する点数を加算して診療報酬を請求できるケースもあります。
医療事務員として診療報酬請求業務について、より深く学び理解していてこそ、このようなケースでも的確に指摘することに繋げることが可能になります。
就職後も医療事務として学ぶべきことは沢山ありますし、プロ意識を高く持ち常に勉強を欠かさない医療事務ほど、医療機関から必要とされる人材に成長していけるのだと思います。
レセプト確認作業は重要
医科の医療機関でのレセプトは、電子請求化導入が完了していますが、診療所については、まだ未導入のところも残っています。
しかし、全体的には電子請求化導入率が高くなっており、以前はレセプトを手書き作成し、支払機関へ請求書と一緒に提出していましたが、今はオンラインで請求可能となっています。
このようなオンラインシステム化による合理化・効率化により、総括作業というレセプトや請求書の作成業務が要らなくなり、医療事務員の作業負荷も軽減され、作業効率アップに繋がっています。
レセコンも年々機能が向上し、入力すれば自動で計算するという機能だけでなく、病名と処方薬が合致しているかなどの確認機能もレセコンに標準装備され、そのほかにもいろいろな利便性のよい機能が備えられているシステムもあります。
但し、複雑な診療報酬算定まで完全にサポートしているわけではないので、レセプトを手書き作成している場合は予期せぬ間違いも起こり得ますので、人為的なチェック作業は必ず必要になります。
医事課業務はここが大変!
医療事務は月末から翌月10日直前までは毎月忙しい
レセプトは、患者さん個別に1ヶ月分をまとめて作成し提出するため、レセプトを事前に作成しておいても、患者さんが月末最終日に来院すれば、作成し直す必要があります。
結局、レセプト作成は、当月が終了しないことには完成させることはできませんし、各支払機関への提出期限は毎月10日までとなっています。
正月の年末年始であろうと、ゴールデンウィークであろうと休暇に関係なく、決まった期限内に提出する必要があるため、この期間中、レセプト担当者は旅行などしたくてもまとめて休みをとりにくい状況です。
ちなみに、休日とは、1月2〜3日、12月29〜31日、毎週日曜日、国民の祝日に関する法律の第3条で定められている日を指します。
レセプトの記入漏れ・誤りがあれば返却される
医療事務職員がレセプト作成で注意すべきは、返戻(へんれい)されないようにすることです。
記入漏れや記入間違い、保険適用間違いなどがあった場合、レセプトが医療機関に差し戻されることを返戻と呼びます。
レセプトが差し戻されれば当然診療報酬の支給は遅れます。
さらに査定には最も注意する必要があります。
患者さんに施した診療行為内容に妥当性がないと審査機関に判断されることを査定と呼びますが、診療報酬は全く支払われないので、病院に収益がなく経営に悪影響を及ぼします。
レセプト点検は、返戻や査定を防止するために実施する重要な業務になります。
但し、レセプト業務については、返戻や査定などの苦い失敗経験を積み重ねながら、気付かなかった判断基準を体得したりするケースも多く、様々なミスを指摘されながら経験から多くの学びを得るという過程は、先輩医療事務職員全員が通過してきた道です。
医事課業務のやりがい!
毎月のレセプト業務で、返戻・査定がゼロであった時は、ほっと安心すると同時に喜びを感じる方も多いようです。
また、厳しい仕事を日々こなし、成長していることを実感できた時は努力が報われ大きな励みとヤル気に繋がります。
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