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病院でのレセプト業務の流れと業務内容

 病院でのレセプト作成は、次のような流れで実施されます。

レセプト作成は、病院・診療所・歯科医院・調剤薬局で実施されている医業経営に直結する重要な業務です。

医療機関でのレセプト作成は診療報酬請求業務といいますが、薬局の場合は、調剤報酬請求業務と呼ばれています。

 月末には診療を受けている患者個人別に月単位でレセプト作成を行い、医療事務スタッフと医師が内容に間違いがないか確認を行います。

その後、患者のレセプトを種類ごとに区分けし、レセプト合計点数と金額を記載した診療報酬請求書の作成を行います。

診療報酬明細者(レセプト)と診療報酬請求書とを一括りに綴じたものを審査支払機関へ提出します。

審査支払機関の審査で問題なければ保険者・審査支払機関・医療機関の順で診療報酬の支払いが行われます。

1. レセプト(診療報酬明細書)の作成

 月単位で患者毎に診療行為の点数を算出してレセプト作成を行います。

レセプト用紙の記入欄は、基礎データ、点数、摘要の3つの記載欄に区分されており、基礎データの部分は通称「上書き」といい、カルテ内容を確認しながら下記で説明している13項目を転記していきます。

基礎データ13項目の記入方法

基礎データ項目

記入内容

診療年月

カルテに記載されている診療年月を記入。

医療機関コード

医療機関ごとに定められている7桁のコード番号を記入。

保険種別

患煮が被保険者となっている医療保険の種類番号を、○で囲む。

本人・家族

受診者が、被保険者当人か家族か、該当番号を○で囲む。

保険者番号

カルテに記載されている保険者番号を記入。

保険証・被保険者手帳
などの記号・番号

カルテに記載されている記号・番号を記入。

氏名・生年月日

受診者の姓名・生年月日を記入し、性別と年号は○で囲む。

職務上の事由

船員保険の加入者のみ記入。

保険医療機関の
所在地及び名称

保険医療機関の申請時の届け出所在地及び名称を記入。
レセプト用紙に印刷する場合もある。

10 傷病名

カルテに記載されている傷病名を発症順に記入。

11 診療開始日

保険診療の開始日を記入。

12 転帰

患者の状態を記入するが診療が翌月に実施される場合は記載不要。

13 診療実日数

診療行為の実日数を記入。

点数欄と摘要欄の記入方法

 診療を行った各行為の点数と回数を診療報酬点数表に基づいて点数欄に記載していきます。

診療報酬は診療行為の点数と処方・投与した薬価点数との合計で算出され、疾病名が欄内に記載しきれない場合は、摘要欄に記入することも可能です。

2. レセプトの事務的点検・レセプト出力

 レセプト内容に過誤がないか確認を行いOKであればプリンター出力します。

レセプト内容に誤記入や記入漏れなどの不備があると、審査支払機関からレセプトが差し戻されることになります。

レセプトが差し戻しされた場合は、内容を確認し直しもう一度作成することになり、無駄な労力が発生します。

また、審査で請求内容に妥当性が無いと判断されれば当初の診療報酬請求額より少ない金額しか支払われないケースもあり得ます。

このような事になれば、医療機関の事業収入が減額されることになり、医業経営に悪影響が及ぶこともあるので、レセプトの確認はきっちりと行うことが重要になります。

レセプト作成はレセプトコンピュータで作業処理されるケースも多くなり作業性は良くなりましたが、医療機関においては、必要事項が間違いなく入力されているかの確認作業は、時間を割いてでも確実に必ず行う必要がある重要な業務です。

3. 医師によるレセプト確認

 レセプトの確認作業は、提出するまでに通常2回は実施されます。

レセプト作成が終了すれば、審査支払機関へ提出するまでに、医療事務スタッフで記載内容に過誤がないかの点検を行います。

この点検時に、医師に確認してもらう必要のあるレセプトは区分けしておき、医療事務スタッフの点検が終われば医師による確認が行われます。

医師の確認内容は、レセプトに記載している疾病名と診療内容とが合致しているかを再確認します。

レセプトコンピュータで作成している規模の大きい医療機関では出力するだけでも多くの時間を要するので、レセプト作成は月末にまとめて行うのではなく、段階を決めて順次行えるような工夫が必要になります。

4. レセプトの仕分け

 審査支払機関で規定されている綴じ方に沿ってレセプトを仕分けます。

社会保険診療報酬支払基金国民保険団体連合会の2つの審査支払機関があるので、各仕分け方法に従い、2か所に提出する必要があります。

5. 療報酬請求書の作成

 診療報酬請求書とは、月単位で全レセプト内容を集計した一枚の提出書類のことです。

仕分けが終了すれば、種類別にレセプト件数、点数、日数、患者負担金などを総計し、請求書に記載していきます。

6. 診療報酬請求書・レセプトの編綴(へんてつ)

 仕分けしたレセプトを順にまとめ、診療報酬請求書を表紙に添付してひもで綴ります。

レセプトを綴じる場合は、1ページ目にはレセプト内容を累計し、まとめた診療報酬請求書を、2ページ目には保険の種類により区分けした診療報酬明細書を綴じます。

主な保険の種類は、次のようなものがありますが、その種類は20種類以上にもなります。

老人保険
・老人保険と公費の併用
・老人保険単独

社会保険
・社会保険本人と公費の併用
・社会保険本人単独
・社会保険家族と公費の併用
・社会保険家族単独

公費と公費の併用

公費単独

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