医療事務にとってレセプト業務は重要な仕事であるということは理解できたと思います。
ここでは、レセプト点検について見ていきましょう。
レセプト業務の中でも内容点検は重要で、深い知識と実務経験を要します。
現在は、レセコンが導入され単に事務的業務としてこなしているケースが多くなっていますが、内容点検まで正確に行えるスキルがあってこそプロの医療事務職員と言えると思います。
同じ医療行為を病院で行っていても、算定される点数は、医療事務職員の知識レベルによって、やり方が違うので結果が異なるケースも起こってきます。
レセプト点検の種類
レセプト点検業務は、主に「事務点検」と「内容点検」の2つに区分され、次の内容を点検・確認します。
レセプト事務点検- カルテの記載内容と病名や診療内容などレセプトの記載内容と合っているかを点検
- レセプトの上書き部分の点検
- 診療報酬点数制度的・医学的に病名と診療内容について整合性があるかを点検
レセプト作成のルールや提出期限
次に、レセプトの提出期限と作成ルールについて見ていきましょう。
診療報酬明細書(レセプト)の記載内容としては、毎日の受付〜会計業務で行われた業務実績のデータを1ヶ月単位でまとめ記入します。
事例1 | レセプト作成 | 提出期限 |
外来受診 9月15日〜10月10日 |
9月15日〜30日 (9月分レセプト) |
10月10日 |
10月1日〜10日 (10月分レセプト) |
11月10日 |
事例2 | レセプト作成 | 提出期限 |
外来受診 9月5日〜10日 入院診療 |
9月5日〜10日 (9月分外来レセプト) |
10月10日 |
9月11日〜30日 (9月分入院レセプト) |
10月10日 |
事例2のように同じ月に外来受診と入院診療を患者さんが受けた場合は、外来レセプトと入院レセプトに分けて作成する必要があります。
事例2のようケースでは、同一月に1回しか算定できない診療報酬も多くあるので特に注意が必要です。
具体例としては、検査実施料については算定できますが、病理学的検査・検体検査・生体検査の一部などの検査判断料については、検査を行い判断料を外来診療で算定済の場合、同じ検査を入院診療で行っても判断料の算定はできません。
今は医事コンピュータがほとんどの医療機関で使用されているので、システム的に自動でチェックできる体制になっていますが、医療事務の知識として理解しておくべきです。
レセプト点検の必要性について
患者さんが病院に来院し診療を実施して一部負担金を支払ってもらい、レセプトにより一部負担金以外の診療費を請求するという流れになるので、病院の医業収益の大半はレセプト業務により成り立っているともいえます。
なので、記載ミス、算定の漏れや間違いなどなく正確にレセプト作成が行われていない場合は、得られるはずの診療費が減額されているケースも考えられ、医療機関の経営状態にも悪影響を及ぼす可能性があります。
医療事務職員が有するレセプトの点検スキルのレベルにより、医療機関の収支に大きく影響するので、レセプト点検を行う医療事務職員はしっかりとした知識を習得する必要があります。
医療事務職員の理解度の違いによって、同じ診療行為でも異なった点数が算定される可能性があるという事です。
これから医療事務を目指す方は、単に事務的に業務をこなすのではなく、知識を深め医療事務職員としての責任と役割を担えるよう努力して頂きたいと思います。