医療事務の資格を徹底比較する前に、誰もが抱く次の3つの疑問について解説してみたいと思います。
1. 医療事務の資格無しで本当に就職できるのか?
この質問に対する答えは、運が良ければ就職できると思いますし、実際の医療事務の仕事は無資格でも働けるからです。
但し、すんなりと就職できるかどうかは全く別の話で、恐らく相当苦労することになるのは誰もが予想できると思います。
次にその理由を事例を挙げて説明していきます。
2. 医療事務の資格を取得すれば就職の際、有利になるのか?
2-1.求人広告の実態
医療事務の仕事は、資格が無くても働くことが可能です。
病院やクリニックなど実際の求人広告などには、「医療事務募集。未経験OK」なんていう見出しも見かけます。
ではなぜこのような文面の求人広告が出るのでしょうか?
このような求人募集を行っている医療機関の中には、本当に医療事務が未経験でもいいと思って募集しているところもあります。
「じゃ、就職できるじゃない!」と思われている方は、当サイトは必要ないので、一度試しに応募してみて下さい。
ところが、医療事務は特に女性に人気のあるお仕事なので、資格取得者も含め応募者数がすごく多いのが実情です。
応募者が全員「医療事務未経験者」なんて事は、無いと考えてよいでしょう!
2-2.求人募集(採用)側の実情
求人広告で「医療事務募集。未経験OK」と掲載している医療機関がありますが、求人募集(採用)側が考えている本音とはどんなところにあるのでしょうか!
本音としては「本当は、やる気もあって医療事務の資格取得者か経験者を採用するのがベターなんだけど、仕事が忙しく人手不足なので、万が一の場合に備えて未経験でもOKとしておこう!」
「未経験の場合は入社してから教育に手間がかかるが、今はすぐに働いてくれる人が必要なので仕方ない!」というようなところではないでしょうか。
こんなこと書くと求人募集(採用)側の担当者から怒られそうですが、実際はこんな場合が多いのです。
これって普通に考えると、どこの会社も同じだと思います。
『この仕事は国家資格を持っていないと働いちゃダメ!』と法律で決まっているような、看護師とか薬剤師とかはこんな文面の求人広告はありません。
ですが、医療事務は、無資格でも働けるので、求人募集(採用)側は、リスクヘッジのためにこのような求人広告を出すのは当然といえるでしょう。
例として面接試験に、この4人の経歴の人がいたら、- Aさん:医療事務の資格無し。実務経験も無し。
- Bさん:医療事務の資格無し。実務経験は有り。
- Cさん:医療事務の資格有り。実務経験は無し。
- Dさん:医療事務の資格有り。実務経験も有り。
あなたが採用側だとしたら、どの人を採用したいと思うでしょうか?
Aさんを第一候補で採用する面接官は、まずいないと思います。
BさんかDさんを採用するのは、人材不足でとりあえず実務経験がある即戦力が欲しいという医療機関でしょう。
Cさんを採用するのは、ゼロから医療事務の仕事のやり方を教育するのは手間と時間と経費がかかるのでNGだが、きちっと自分達のルール、やり方だけを教えればすぐ戦力になると思っている医療機関です。
経験者の場合、プライドもあるので、無意識のうちに前職や自分のやり方に固執する傾向にあります。
結論としては、この4人が求人応募し面接にくれば、よほどの理由がない限りDさんが第一候補として採用される確率はかなり高いだろうと予測できます。
また、医療事務の仕事はレセプト作成など専門性が要求されるため、医療事務の資格取得者はこうした知識が既にあるので就職の際に確実に有利になります。
2-3.応募側(あなた)の実情
あなたが応募する時に考えるのは、「いろんな経歴の人が募集してくるんだろうなあ・・・。」と多分考えると思います。
そのとき、自分がもしAさんだった場合、「医療事務の資格無し。実務経験も無し・・・。」
こんな状態で、はたして自信をもって面接を受けることができるでしょうか?
私ならとてもじゃないですが、「きっとすぐ就職できるだろう」などと安易に考えることはできません。
何をアピールしたらいいか多分言葉に詰まってしまうかも知れません。
ただ単に「やる気はあります。頑張ります。」ではどうしようもありません。
やる気は面接を受けに来た人なら全員あるはずですのでアピールポイントになりません。
それに比べ、取得した資格を履歴書に記載できることだけでも、自信になり大きなアピールポイントになります。
これはパートでも派遣でも正社員でも、同じ事です。
3. 医療事務として働くには、資格は本当に必要なのか?
結論から言うと、医療事務の資格取得のために、学び身につけた専門的な知識やスキルは、職場の実務でも物凄く役に立ちます。
一般的によく聞く医療事務のメリットは、
この3つだと思いますが、本当のところ実際はどうなのでしょうか?
3-1.日本全国どこに住んでいても働くことが可能
医療事務の診療報酬明細書(レセプト)の作成などに関する知識は、日本全国どこにある医療機関でも統一されています。
この意味では、医療事務の資格取得のために学んだ知識が役立ち、日本全国どこでも働くことが可能というのは本当だと思います。
3-2.医療事務の資格を取得すれば一生涯役立つ
医療事務の資格は車の免許更新みたいな有効期限はないので、このことだけを考えると一生涯役立ちますといえるかもしれませんが、現実的ではありません。
本当に「一生役立つ」といえるようにするにはある条件が必要で、それは実務経験です。
時々あるのが、将来のために、とりあえず医療事務の資格だけは取得しておこう、という考えで医療事務講座を受講するパターンです。
資格取得後、スクールや講座で用意されている就職サポートはまったく利用せず、医療事務として就職し医療機関で働かないというようなケースでは「一生役立つ」資格とはいえません。
その理由は、
結婚後、「子育てが落ち着いたので就職したい働きたい!」と思って就職活動に取り組んでも、実際の面接では、面接官からこのようなことを言われることがあります。
「医療事務の資格を取ってからずいぶん年数がたってますね。医療機関での勤務経験もないのですね・・・」と言われることがあります。
面接官の立場からすると、
『まったくの医療事務初心者ではないが、資格取得してからずいぶんブランクもあり、勤務経験も無いので、学んだ時の知識やスキルが現在もあるかどうかわからない。たぶん即戦力にはならないだろうな。』
これって車のペーパードライバーとよく似ていませんか?助手席に乗るの怖いですよね!
面接官の本音はこのようなところでしょう。
医療事務の資格を本当に一生役立てるためには、資格取得後、勤務形態は正社員やパートなど、どのような形でもいいので就職活動をし、実際に医療現場で働き「実務経験を積む」ことが今後のためにすごく大切になります。
3-3.結婚、子育てが落ち着いたあとの再就職などに役立つ
結婚、子育てが落ち着いた後で資格を取得した場合は、受講スクールの就活サポートなどを有効活用して、すぐに働くようにしましょう!
医療事務講座を開講しているスクールや専門学校は、医療機関と独自のパイプがありますので就職先が見つかる可能性はすごく高いです。
医療事務の資格は取ってからできるだけ早く働いた方がベターです。
学んだことがまだはっきりと記憶に残り思い出したりできるはずです。
時間が経てば経つほど、忘れてしまいます。
なので、いくら知識を学んでも実際経験がなければ絶対身につきません。
これはどんな資格でも同じです。
特に語学の上達などはこれが顕著に表れてきます。
資格を取ることも大切ですが、実務経験を積むことは非常に重要なことだということを忘れないようにして下さいね。
ここまでの説明からもすでにお分かりだと思いますが、
医療事務の資格を取得することで得することはあれど損することなど絶対にない!!
というのが私の結論です。
以上のように、無資格者と比較して確実に差をつけることが可能ですし、資格取得後に実務経験を積むことで、本当に一生役立つ資格になります。