医療秘書とは?
医療秘書業務は医師などの医療専門スタッフをサポートする仕事ですが、医療機関で所属する部署によって業務内容は大きく異なります。
医療機関には、病院、診療所、クリニックなどがありますが、特にその中でも規模が大きい病院の場合は、内科・外科・耳鼻科・眼科・小児科など多数の診療科に分かれているので、そこに勤務している医師や看護師の数もかなり多くなります。
医療秘書は、それら医療機関に於ける医療従事者の仕事や業務について管理したりサポートしたりするのが主な仕事内容になります。
医師にとっては、病院内での外来診療や手術や回診などの業務はもちろんのこと、それ以外にも学会や外部の研修会・勉強会などに参加し最新の医療技術や情報を得ることも大切な仕事です。
そのことから、医療秘書がときには海外の医療関連の文献翻訳を担当するということもあり得ます。
患者のカルテ内容や診療状況など、医学知識が十分でないとしっかり理解できない場合もあるので、医療秘書の仕事は専門性の高い内容になります。
医療秘書の仕事内容について
医療秘書が行う業務には次のようなものがあります。
1. 医師のスケジュール管理
医師は多くの仕事を抱えており、それらの仕事が円滑に進むよう日々のスケジュール管理を行います。
2. 書類のファイリング
医療関連の書類はもちろん、それに付随する資料や書類も多岐に渡るので、効率的に処理できるようにファイリングしておきます。
3. 文献の入力作業
文献などの情報を正式に入力していきます。
4. 海外レターの作成
海外へ発送するためのレターを作成します。
5. 海外の文献の翻訳
医師が最新の医療技術や情報を得るために、海外の文献を翻訳することもありますが、この業務には当然語学力が必要になります。
6. 学会への同行
様々な学会へ出席する医師に同行しサポートします。
7. 研究の補助
研究内容にもよりますが、可能な場合は補助も行います。
8. 電話対応
外部や病院内からの電話での受付対応業務です。
9. 来客時の接遇
来客者が有る場合は、接遇対応が必要です。
10. 清掃
職場の整頓や掃除も行います。
医師の業務と医療秘書が補助する業務内容との関係
医師の業務 | 医療秘書の業務 | |
業務 | 内容 | |
診療 | 受付 |
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経営管理 | 一般秘書業務 |
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研究 | データ管理 |
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教育 | 医局管理 |
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院長秘書・医局秘書とは何か
多忙な院長や医師が診療行為に専念できるように、院長や医師が抱える多くの雑務を代行してサポートするのが院長秘書・医局秘書の仕事です。
医療機関内で院長や医師は診療などの本来業務を実施しながら、同時に地域活動や研究活動などにも関わっている場合が多くあります。
そこで、医療秘書は、院長や医師をサポートするために身辺の雑務から全体のスケジュール管理(内的・対外的)までを代わりに行います。
なぜなら院長や医師自身が雑務的なことまで自分で全て行っていると、本来の診療業務に支障をきたす可能性があるからです。
さらに医療秘書は、スケジュール管理や雑務以外にも、海外から訪問された来客対応や海外学術論文の翻訳を頼まれたりする場合もあるので、専門的な語学力や医療知識を習得することが必要になるケースもあります。
海外の学術論文の翻訳を任されたり、海外からの来客に対応するなど、より深い専門知識や語学力が必要となることもあります。
医療秘書が任せられる仕事内容については、従事する上司・院長・医師の専門分野や仕事内容、仕事に対する考え方や個性などによって異なり様々であるということが大きな特徴といえるでしょう。
優秀な医療秘書になるためには
案内人のような役割も
病院には多数のスタッフが働いているので、看護師さんの名前や、病院の先生の専門分野などを質問されたりする場合もあります。
そのような医師からの問いかけにもすぐ回答できる優秀な案内人のような秘書も実際存在します。
基本は医師の指示に従って動く仕事ですが、仕事を指示されてから考えたり動きだすのではなく、求められた時に、即対応できるだけのスキルを普段から磨いておくことも自身の医療秘書としての価値を高めることにつながります。
高度な能力が必要になる場合も
医療秘書に必要な能力は、上司が秘書に何を求めるかによって大きく異なります。
例えば海外で行われる学会に同行するような業務の場合は、英語の語学力は当然必須条件になってきます。
また、研究に関する補助が必要な業務では、医療に関する知識も必要で、医療事務の知識と経験以外にも高度なスキルを生かして質の高い業務をこなしている秘書もいます。
医療秘書として大切なこと
病院などの医療機関には、患者だけでなく、医師、看護師、関連するスタッフなど、多数の従事者が存在します。
なので、間に入ってやりとりをしたりすることも多く、どのようなタイプの人に対しても柔軟に対応できるだけのコミュニケーションスキルが求められます。
新たな業務も
今では、多くの医療機関で電子カルテが導入されています。
その影響もあり医師がコンピュータ入力など診察中に労力を割かれるというようなマイナス面も表れてきました。
それに対応する為、診察室でレントゲンや予約検査依頼などの事務的業務を医療秘書が医師に代わって処理するというケースも新たに発生しています。