医療事務の資格を取得し、実際に職場で働く場合、医療事務の仕事にはどのような業務があるのでしょうか？
医療事務といっても、実際の業務内容は様々で、相互に関連し合っていて、病院や診療所など医療機関によって、一つの業務を専任で任せられたり、複数の業務を兼任でしている場合もあります。
診療所など規模の小さなところでは医療事務職員が一人ですべての業務を担当する場合もありますが、医療事務の仕事は業務の流れから主に５つの業務に分類することができます。
- 受付業務
受付窓□で患者さんと直接やりとりをする仕事で案内も含まれます。 - 医事課業務
診療費を計算し、領収書を発行する会計業務やカルテの管理や診療報酬請求事務（レセプト業務）を行います。 - 外来クラーク業務
外来患者さんの受診の受付・案内、カルテの準備、検査データの整理などを行います。 - 病棟クラーク業務
病棟内の入退院に関わるあらゆる仕事や事務的な業務を行います。 - 医療秘書業務
院長や医師、看護師のスケジュール管理などを行う仕事です。
医療事務が担う５つの主な業務について
1. 受付業務とは
患者が来院すると最初に足を運ぶのは病院の受付なので、医療機関の顔ともいえますし、医療事務職員が患者と接し対応する機会が一番多い業務です。
受付では、患者さんが初診の場合は診察券を発行し、再来院の場合は診察券や保険証を受け取ったりします。
診察室へは診療順に患者を案内し、診療が終われば診察費用を清算して患者負担割合の医療費を請求したりします。
受付では、診療を円滑に患者さんが受診できるように整えるということが、医療事務としての一番の役割になります。
2. 医事課業務とは
患者への会計で必要となる事務作業を一括して担っているのが医事課になりますが、一番重要な業務には診療報酬明細書（レセプト）の作成があり、行われた治療や検査、投薬などの診療内容を患者ごとにまとめたものです。
日本では全ての国民が医療保険に加入することが原則となっています。
よって、医療機関で診療を受けた場合、かかった医療費は患者本人と、加入している保険者（医療保険団体）が決めれれた割合で支払う制度になっています。
会社勤めのサラリーマンやＯＬの場合、社会保険に加入していますが、医療費の３割は患者本人が支払い、７割は加入している医療保険団体が支払うことになります。
診療報酬明細書を患者ごとにそれぞれ作成し、診療報酬を保険者に請求を行うまでの仕事を診療報酬請求業務（レセプト業務）と呼びます。
3. 外来クラーク業務とは
外来クラーク業務では、外来で来院する患者の受診受付や案内、事務書類の記載内容の確認、カルテの準備、検査データなどの整理などを行いますが、部署別に受付するということになります。
受付では患者対応が主ですが、外来クラークでは医師や看護師などの医療従事者と対応する機会が多くなるということが大きな違いです。
4. 病棟クラーク業務
医療事務職員の業務は、病院内で入院し治療を受けている患者をサポートすることも病棟クラーク業務での重要な役目になり部署別に受付するということになります。
医療事務職員は、入院や退院の受付や対応手続き、病棟内の案内、入院又は退院した患者の台帳管理、検査伝票の整理、勤怠管理、日報整理などを担いますが、医療行為は当然行なうことはありません。
5. 医療秘書業務とは
医療秘書が必要となるのは、大規模な医療機関が多く、診療科も数多くあり従事している医師や看護師なども多くいますので、医療秘書は、これらの医療従事者などをサポートすることが仕事になります。
医師は、病院内で手術や回診を行い、外来診療にも対応していますが、学術会議に出席したり、最新医療の研修会などに参加することも重要な仕事になり、医療秘書が海外の学術文献を翻訳する場合もあります。
医療秘書の仕事は専門性が高く、医学的な知識を持っていないと患者の診療状況や診療録の記載内容についても解らないケースがあります。
