医療事務をしていると患者さんからの苦情・クレームを受ける時がありますので、基本的な対応法や処理の仕方を十分理解しておくことも大切です。
日々、様々なクレームが医療機関で発生します。
医療機関職員の対応の不手際に始まり、待ち時間が長いとか計算間違いで診療費を多く請求したり、最悪の場合は医療ミスが発生したり、様々な問題が発生しますが、その場合、どう対応するのが最善なのでしょうか?
クレームや問題の内容にによって対応の仕方は変わってきますが、待ち時間が長い、診療費の計算間違いをした、患者さんに対する対応が悪いなどについては、比較的程度が軽い問題であり、まずは謝罪することも必要です。
一方、医療ミスに関しては、よくメディアや新聞で報道されていますので、安易に謝罪してしまうと、賠償問題など裁判で争う事態になった場合、後々問題が大きくなるケースも考えられます。
場合によっては、過失が医療機関側に無いにも関わらず、実際に裁判で訴えを起こされることも少なくはありません。
裁判の結果、医療機関側には過失が無いと判定され法的に罰せられなかったとしても、このこと自体が公になるので、医療機関側にとっては大きな痛手になります。
これは自分が常日頃診療してもらっている病院が、もし訴えを起こされたと知ってしまったら、継続してその病院で診察してもらうかどうかを考えればわかることだと思います。
医療機関側からすると実際過失がなかったとしても、裁判などで訴えられてしまえば、その時点で社会的に不信感を抱かれ、医療機関として大きなマイナスイメージを抱かれることになってしまいます。
このようなイメージダウンは、医業経営に悪影響を及ぼし、経営的にも重大な損失となります。
元をたどれば、このような問題は患者さん側と医療機関側との信頼関係が発端となり、こういったケースに発展するわけです。
なので、医療事務職員でも患者さんに対する接し方や対応の仕方は、細心の注意を払い常日頃からしっかりと対応するように心がけておくことが重要です。
特に、対応が難しい特殊なケースが発生した場合には、自分勝手に判断せず、上司に報告・相談して指示を仰ぐなど慎重に対応することも必要です。
また、行政機関・保険会社・患者さんからの問い合わせや医師への営業など様々な電話が医療機関に寄せられ、医療事務職員が電話対応するケースが多いですが、これも問題が発生しやすい業務だと言えます。
トラブルを防ぐために医療機関では、ケースに応じた対応マニュアルを作成し公開しているところがほとんどです。
なので、医療事務職員は、対応マニュアルにしっかりと目を通し十分理解しておくことがポイントで、これが大きなトラブルへ発展させないための未然防止対策にもつながることになります。