医療事務のインストラクター・派遣の特徴
インストラクターなどは医療事務の経験をフル活用できる仕事
医療事務の実務経験が豊富であれば、その能力を活かして働ける企業も多くあります。
最近では、医療事務の仕事は、システム・コンピューターの導入による業務の合理化を図るために、コンピュータでの専用ソフトを導入し業務を行う医療機関も多くありますが、ソフトを導入するだけでは有効に活用することはできません。
必ずソフトの操作方法を医療事務員などが学びスムーズに使用できるようにする必要があります。
このような場合は、ソフト開発した企業やメンテナンスを担っている企業に従事しているインストラクターなどが主になり、病院などへ出向いて医療事務の担当スタッフなどに操作方法や基本技能を指導することになります。
但し、派遣出向するインストラクターは、医療事務に対する豊富な経験や専門的知識を併せ持った方でなくては適切な指導はできません。
医療事務インストラクターを目指すなら複数の診療科経験が必要
医療機関でインストラクターとして仕事を行っていると、レセプトなどのコンピューター操作だけでなく、診療報酬業務についても全般的に質問されることが頻繁に起こります。
なので、医療事務のインストラクターとして活躍したいなら、診療所から総合病院までいろいろな規模の様々な診療科で実務経験を積み、各診療内容についての深い知識や診療報酬点数算定にも熟知し、より深いスキルを身に付けておくことが必要になってきます。
でないと、このような場合に適切に対応できず、医療機関からの信頼を得られなくなります。
現在のレセプトコンピューター導入状況については、全国にある医療機関・調剤薬局の内、レセプトをコンピュータなどで作成できる電子レセプトの普及状況は、2015年4月現在で88.5%になっています。
医科の医療機関で見ると病院が99.6%、診療所は88.8%となっています。
使用しているソフトは各医療機関でさまざまですが、その中でも普及率の高いソフトでは、日本医師会が作成した、無料の「日医標準レセプトソフト」というものがあります。
日医標準レセプトソフトは単なる無料のソフトではなく、今後の医療における情報体系を構築するプロジェクトのひとつとして、日本医師会が発案し作成したものです。
医療事務インストラクターとして身に付けておくと有利と思える資格としては、日医標準ソフトの日本医師会総合政策研究機構が認定する認定インストラクターというものがあります。
日医標準ソフトの全国での普及率は2012年時点でも約14%に上り、レセプトソフトの中では一番導入率の高いソフトになりますので、日医標準ソフトヘの移行をサポートしたり、操作方法を伝えることもできるわけです。
実際、医療事務のインストラクターに対して全面的に信頼を寄せている医療機関も少なくありません。
以上のように、あらゆる規模、あらゆる診療内容に対応できる医療事務の豊富な実践経験と、広く深い知識があれば、医療機関から信頼を得てインストラクターとして全国で活躍することもでき、将来的に独立開業することも不可能ではありません。
医療事務経験を積めば、活躍の場は多くある
医療事務の仕事を辞めて他の業種に転職される方の中には、仕事は嫌いではないが、女社会の職場環境に馴染めず抵抗感を覚え挫折する方もおられます。
しかし、医療事務の仕事は、病院内で医療事務職員として働く職場だけではありません。
次のような医療事務の仕事に関わっている会社もあります。
- レセプトソフトの操作方法を指導するインストラクター派遣
- 業務合理化を図るためのシステム・ソフトの導入・提案
- コンピューター設備やシステム環境構築
このような会社では仕事柄、職場の風通しもよく、従来のやり方に固執せず物事を合理的に処理できる企業風土が定着している会社もあり、コンピュータ知識や医療機関への営業の仕方なども、最初からしっかり指導教育してくれる企業も少なくありません。
なので、医療事務として経験豊富な方であれば、すぐに医療事務をあきらめずに、このような会社に転職することで、長年のキャリアを発揮し、新天地で活躍することも出来ます。
医療事務の仕事は、経験を積み重ねるほど活躍できる場が広がっていくというのも、大きな魅力かもしれません。