医療秘書にも様々な形態があり、秘書業務には医療秘書(3職種)と病棟クラークがあり、医療秘書は、院長秘書、医局秘書、看護部長秘書など、サポートする上司が異なります。
医療秘書については、医療秘書業務-医療事務仕事8のページで詳しく紹介していますので、参照下さい。
病棟クラークの仕事と役割
病棟クラークは、病棟内にあるそれぞれの診療科目や各病棟に設けられているナースステーションに配属され常勤で働く医療事務職員のことを指します。
業務内容は、病棟で働く医療職員の日程管理にはじまり、患者の入退院に係わる応対や事務処理作業を行ったり、各種書類や伝票の処理・管理、電話応対など仕事内容は広範囲に渡ります。
特に患者の入院が決まれば、患者カードや入院台帳の作成や整理、病室や患者の名札の作成、ナースステーションで管理するカルテやレントゲンフィルムなどの整理などを行います。
病棟クラークとして働く医療事務スタッフは、これらの事務作業を行い、医師や看護師が、診療行為に専念し集中できるようにサポートする役割を担います。
なので、医師・看護師と患者との橋渡しをするという大切な役目が病棟クラークの仕事には含まれています。
クラーク導入されるようになった経緯
現在のように病棟クラークが医療事務業務の仕事の一つとして認知される以前の病棟で必要となる事務作業については、看護職が行っていました
ところが、この作業を医療事務職員が行ったところ、看護師が患者の看護に専念することができ、患者満足度が向上したという実例があり、その後ほとんどの医療機関では、病棟に医療事務職員を人材配置し事務処理などの作業を任せるようになっていきました。
クラーク業務では、患者入退院台帳や関連伝票の整理、検査予約や受診の受付手続き、病棟内の診療報酬請求額の確認なども行います。
また、現在の病棟クラークの医療事務は、診療報酬請求事務などレセプト作成から点検までの専門的な知識やスキルも有しているため、重要な医療事務業務の内の一つとして認知されるようになっています。
病棟クラークの職場と業務内容
●主な職場病棟内にあるナースステーションへ配属され病棟内の事務的作業を担当します。
●主な業務- 病棟職員の日程管理
- 患者の応対
- 電話の応対
- 入院台帳や患者カードの整理
- 病室の患者ネームプレートの作成・管理
- 入退院患者の確認
- 受診・回診の準備
- 各種伝票の処理
- カルテの作成および整理
- レントゲン写真やカルテの管理
- 薬品の管理
- 物品整理
日程管理は病棟クラーク業務においても基本
日程表の管理は重要
医療秘書は、医療専門スタッフのサポートがメイン業務になるためスケジュール管理は仕事の要です。
医療専門職である医師や看護師は、日々の診療業務に追われている事が多いため、受診・治療・看護などの本来業務に専念し、多くの時間を割り当てれるよう、仕事の優先順位や流れを調整することが必要になります。
医師や看護師が本来業務に集中し効率的に医療行為に専念できるようにすれば、患者にとっても多くのメリットがあります。
日程表の種類と作成時のポイント
院長・医師・看護部長などをサポートする医療秘書や病棟クラークの基本は、日程管理をしっかりと行うということです。
また、日程表や予定表も期間別、目的別にいろいろなものがあり必要に応じ使い分け、作成する時や予定調整する時も入念に確認しながらスケジュール管理を行う必要があります。
何故なら、医師の業務内容は全て重要な事ばかりで、場所や時間の誤りは許されません。 医療現場での仕事も忙しく、診療日程と会議などを調整しながらスケジューリングするのは簡単な差業ではありません。
医療秘書は、医師などの日程表に基づいて業務の優先順位が決まりますが、自分自身の仕事もあるので、時間調整も要領よく行う必要があります。
病棟クラークの業務に必要なパソコン操作
病棟クラークの業務では、病棟スタッフの日程管理や様々な資料・書類・伝票の作成や整理なども行う必要があります。
なので、それらを作成・処理する際にレセコンやパソコンを使用するたの、ワード・エクセルなどの基本はマスターし、パソコン操作スキルを身に付けておくことが不可欠となります。
医療秘書業務と一般企業の秘書業務との違い
患者応対やレセプト業務が医療事務のメイン業務というイメージが強いと思いますが、規模の大きい医療機関では、秘書業務も重要な仕事の一つです。
一般企業の秘書業務は、上司のスケジュール管理、電話や来客の応対、データ・資料・書類の作成・整理・管理、郵便物の確認・整理、出張の手配、事務所の清掃など、すべき業務はいろいろとあります。
医療秘書と一般企業の秘書とは仕事の基本は同じですが、唯一異なる点は医療秘書の場合、患者の健康状態や病歴などプライバシーに深く関わることが多い職種であるとうことです。 そのため医療事務としての倫理、仕事の流れ、基本的な専門知識を身に付けていることが必要になります。