派遣やパートの場合は、比較的自由に勤務形態や勤務時間を選べるのが医療事務の魅力ですが、正職員の場合は残業もあり、毎月のレセプト請求期間に突入すると、その間は定時で仕事を切り上げたり、休みを取ったりしにくいのが現状です。
その反面、医療機関などの職場は、男性より女性の比率が高い職場なので、一般企業より産休や育休などが取得しやすく、職場も協力的な雰囲気があり、福利厚生も良いところが多いように思います。
この点については、女性の立場からすると待遇は恵まれており、居心地の良い職場かもしれません。
医療事務(正職員)の福利厚生について
正社員の一番のメリットは社会保険が完備されていること
医療事務の正職員採用で、まず一番に挙げられるメリットは、雇用保険、健康保険、厚生年金、労災など公的な社会保険に加入できるように法律上も完備されている点です。
雇用保険では、離職した場合に失業保険から一定期間給付を受け生活が保障されます。
労災保険では、通勤中または仕事中に事故が発生し怪我などを負った場合に、治療費が給付されます。
厚生年金では、定年退職後に年金支給を受けることができるので、老後の生活不安が和らぎます。育児休暇が利用しやすく保育室が完備されている施設も多い
年齢に関係なく仕事を続ける女性が多いのが医療事務職の特徴で、大きな病院では託児所を設置しているところもあり、育児休暇を導入しているところがほとんどです。
なので職場復帰をしやすく、女性が多い職場なので他の業種と比較すれば育児休暇を利用しやすい環境にあるので、就職前に医療機関の待遇についてもしっかり確認しておきましょう。
医療事務(正職員)の勤務形態・休みについて
8時30分開始の病院が多く8時台には出勤する必要がある
8時30分から9時に外来受付が始まる医療機関が多あるので、8時過ぎには出勤時間し業務開始の準備をする必要があります。
規模の大きい病院の外来受付では、午前中のみ初診や予約外再診を受け付けているところが多いのが現状です。
よって、順番待ちの時間を減らすため朝早くから来院して診療開始時間を待っている患者もよく見かけます。
医療事務はこのような患者に対して案内などの対応を行うのも大切な役目になります。
夜間に患者が緊急で搬送された救急病院の場合は、カルテの準備対応などで、早朝に出勤することが必要になるケースもあります。
交替制勤務の診療所もある
夜10時頃まで診療している個人経営の診療所などでは、勤務時間帯を複数に分け交替制勤務シフトが採用されている場合があります。
歯科や皮膚科などの医院や診療所は、仕事帰りに通院する患者も多く、短時間勤務、長時間勤務、早番勤務、遅番勤務などの交替制で業務を行っているところも少なくありません。
規模の大きい病院では4週6休体制が多い
総合病院や大学病院など規模の大きい医療機関では、4週6休制が導入されています。
週休2日制と違い、月単位で休みを決め全部で6日間の休みになります。
日曜・祝日は最初から決められている休日ですが、医療事務職員が自分たちで月2回の休日を別途で決めて交替で休めるというシステムになっています。
週休2日制の8時間勤務が基本
最近の医療機関では、8時間勤務の週休2日制というが一般的になってきています。
医院や診療所など規模の小さいところでも、日曜にこだわらず平日も含めて週に2日を休日にしているところもあります。
週休2日制が多い医療機関には、民間企業が運営している調剤薬局があり、月末から月初のレセプト業務の繁忙期以外の期間で、1週間に2日の休日を交代で取っているようです。
但し、調剤室が店舗に併設され全国展開しているドラッグストアでは導入しているところはほとんど無いと思います。
年末年始・ゴールデンウィークの長期休暇は取れないのが現状
正社員で病院に就職した場合は、ゴールデンウィークと年末年始に長期の休みを取るのは難しいと覚悟しておくべきです。
レセプト業務は毎月月末月初にあるので必須業務として避けて通ることはできません。
若干の休みは取れますが、一般企業の事務職のように、1週間連続で休むなどということは、まず無理だと思います。
医療事務の職員数にもより異なりますが、交代で出勤しゴールデンウィーク中でも仕事をするケースも少なくありません。
医療事務(正職員)の求人状況・採用条件について
有資格者・経験者が正社員採用には有利
医療事務の仕事は無資格・未経験でもできますが、実際の正社員募集の求人情報を確認すると、医療事務の実務経験者のみの募集か、経験者優遇と記載されている求人内容が約半数を占めているのが実情です。
中には未経験でもOKという募集もありますが、実務経験が必要な場合は1年以上の経験が必要となっています。
医療事務の専修課程や講座の修了生で資格を取得している場合は、実務未経験でも、採用の際に優遇されるケースが多いようです。
新卒や部署内の構成年齢を考慮した募集では、30歳以下に限定して求人を行う医療機関も多くあります。
最近では、資格取得後に就職活動を行う人が多くなっているため、医療事務の基礎知識の有無を証明できる医療事務資格を取ってから求人応募する方が有利だと言えますし、現在の医療事務求人では、資格の有無が採用の目安になっているところもあります。
パソコンスキルは必須技能
医療事務の仕事でパソコンの基本操作は必須のスキルです。
今はコンピュータを導入している医療機関が多くレセプトなどを手書き作成しているところは、ほとんどありません。
大規模な病院は院内LANシステムが構築され、診療内容をコンピュータに打ち込むと、医事課にデータが送られ、診療報酬を自動算定できるしくみになっています。
但し、事前に講座などでレセプトコンピューターの操作スキルを学んでも、医療機関によって導入しているシステムやソフトが違うので、エクセル・ワードを基本操作ができるレベルのスキルは必要ですが、入職してから仕事をする中で順次マスターいくしか他に方法は見当たりません。
医療事務の実務経験があれば年齢制限は緩くなることも
医療事務の求人年齢は、実務未経験者より経験者の方が、年齢が少し高くなっても採用してもらいやすい傾向にありますが、40歳前半までという求人が多いようです。
但し、高齢の患者が多く来院する病院では、年齢が高くても医療事務職員として採用するケースも極稀にあるようですが、求人は滅多にありません。
地域格差がなく全国どこでも求人がある
全国どこでも医療事務の求人は行われており、都市や地方で求人数に格差があり、都市部でないと正社員の仕事に就けないなどということは、まずありません。
給与の差は各地域によってありますが、地方でも求人件数は多く、他府県に引っ越しした場合でも地元で仕事を探し働くことができる点は医療事務職ならではの利点だと言えます。