医療事務の資格試験で出題される主な範囲内容について
医療事務の資格の種類により試験の出題範囲も異なりますが、次の4つの分野が主な出題内容になります。
- 医療事務(診療報酬算定)
- 医療保険制度
- 医学知識
- 医療秘書実務
1. 医療事務(診療報酬算定)の出題範囲
医療事務といえば「診療報酬の算定」のことと言っても過言ではありません。
一日ごとの診療報酬をカルテの内容を確認しながら算定して、「診療報酬請求(レセプト)」を作成する業務です。
診療報酬の算定は、医療事務試験では特に重要な試験問題になるので、どの資格試験でも必ず出題されます。
また、レセプトの作成問題には入院と外来があり、出題の方法と形式は次のいずれかのパターンで出題されます。
出題方法のパターン
- 受験する級により入院と外来のどちらか一つが出題されるもの
- 入院と外来それぞれの難易度を変えて出題するもの
出題形式のパターン
- 手書きで全部を解答させるもの
- 穴埋めで解答させるもの
- 穴埋めで選択式のもの
- 選択式の文章問題が出題されるもの
2. 医療保険制度の出題範囲
ほぼすべての検定試験で出題されているのが医療保険制度の試験問題で、選択式での出題が多いようです。
医療事務の窓口業務では医療保険や公費について知識を持っていないと、実際の仕事はできないのが現実です。
このことから保険制度についての試験問題が出題されるのは当然といえます。
具体的に例を挙げると、次のような内容が多岐に渡って出題されます。
- 医療保険の給付内容
- 公費負担医療制度の種類と内容
- 介護保険や労災などの医療保険以外の保険について
3. 医学知識の出題範囲
医学知識については、全ての資格試験で出題されるものではありませんが、可能性としては試験内容に含まれていることもあるので、受験前に試験案内でチェックしたほうがよいでしょう
具体的には、選択式の問題がほとんどで次のような内容が出題されています。
- 臓器の名称
- 病名の略語
- 難しい漢字の傷病名
- 病気と検査や薬の関係
- 検査略語
- 簡単な解剖・生理について
- カルテ用語
医学知識の出題内容は様々ですが、医療事務員レベルでの知識が問われるだけなので、それほど難しい出題がされるわけではありません。
これらの試験問題は、一般的な検定試験問題集を勉強すれば対応可能です。
4. 医療秘書実務の出題範囲
医療秘書の実務問題についても、全ての資格試験で出題されるわけではありません。
出題形式は記述式または選択式があり、試験によりそれぞれ異なっていますが、試験内容としては、次のような問題が出題されているようです。
- 一般的な秘書実務
- 医療事務員としての資質を問うもの
- 職務範囲や守秘義務などに関するもの
- 患者さんと接する実際の窓口応対場面を想定したもの
医療事務関連の資格は全て民間資格になる
医療事務に関する資格試験は各ジャンルごとに数多く設けられていますが、国家資格ではありません。
これらの資格には、一部、厚生労働省認可公益法人が行っている資格がありますが、そのどれもが財団法人・社団法人・民間企業などが行っている試験になり公的資格はありません。
それぞれの認定団体が独自試験を行い技量認定していますが、どの資格も歴史が長いので、認知度に関しては大きな差はないというのが実情です。
初心者から医療事務を目指す方は、国家資格の医療事務試験がなく、多くの民間資格があるためどの資格を目指せばいいのか迷う方も少なくありません。
医師や看護師と違い、無資格でも医療事務の仕事をすることは可能です。
しかし、現状は医療事務の有資格者や実務経験者が多くいるので、資格取得者=医療事務スキル保有者と見なされるので、就職活動を行う際には、やはり資格取得者が有利で採用されやすいというのは事実です。
なので、医療事務として働きたい場合、資格取得は必須条件ともいえます。