医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))の試験内容と受験ポイントについて
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))は、数ある医療事務の資格試験でも受験者数が全国最大規模の試験になり、技能審査試験は医科と歯科に分かれています。
以前は1級と2級に分かれていましたが、現在、級の区別は無くなっています。
試験内容は3科目で、学科、実技T、実技Uがあります。
医療事務技能審査試験の合格基準は、学科、実技T、実技Uのそれぞれの正解率が70%以上です。
この試験は合格者数の上限は設定されていないので、自信を持って試験に臨めるようにしっかりとした受験準備を行っておきましょう。
次に受験時のポイントとコツを説明します。
学科試験の出題内容とポイント
学科試験は3者択一で25問あり、試験時間は60分です。
出題範囲は、医療保険制度、公費負担医療制度、医学知識、算定問題と幅広く、出題の内訳は次の様になっています。
- 医学・薬学などの問題(約2/25問)
- 保険制度などの問題(約10/25問)
- 診療報酬に関する問題(残り/25問)
これらの問題の中でも注意を要するのは診療報酬に関連する問題です。
上手に時間配分していかないと算定計算もあり、時間不足で解答できなくなることも考えられるので、まずは、すぐにわかる問題から解答するようにしたほうがベターです。
医学知識や医療保険制度の問題については、難しいものではないので気にする必要はありません。
実技試験Tの出題内容とポイント
実技試験Tは出題数が2問あり、電話の応対や受付窓口での対応について、文章約400字で解答する問題が出されます。
医療事務員が知識として必要となる医療保険制度やその他に関する問題、患者さんが満足できる接遇サービスを提供するには、医療事務職としてどう接すればいいのかなどに関する問題も多く出題されているようです。
院内コミュニケーションをはじめ、患者さんからの質問事項、予約変更、苦情などいろいろな問題が出題されますが、一般企業の事務職と病院の医療事務は、多くの点で業務内容も根本的に異なっているということは、しっかり認識しておく必要があります。
実技試験Uの出題内容とポイント
実技試験Uはレセプトに関する問題で、試験時間は70分です。
試験内容は、カルテ4枚を基にレセプト4枚が作成されており、それらの内容を照合して誤記載、記載漏れなどの間違いを見つけ訂正していきます。
いわゆるレセプト点検業務に関する試験です。
難しい問題ではないですが、薬の区分が誤っていたり、カルテには未記載となっていても算定する必要があるものが記載漏れとなっているなど、簡単に見つけにくい内容も出題されています。
また、この実技Uでネックになるのは、時間が70分しかないのに4枚のレセプトを解答しなければいけないので、最終的に見直しているような時間はほとんどありません。
なので、簡単な問題は間違いなく確実に解答することが合否を分けるポイントになります。
この実技試験Uの問題内容は、医療現場の実務内容に一番近い形式で出題されています。
なぜなら、レセプト作成は手書きではなく、ほとんどの医療機関でコンピュータ化されているのがその理由です。