保険医療機関とは何か?
病院や薬局において、公的医療保険が適用される医療サービスの提供を行うには、厚生労働大臣から健康保険法の規定に基いて指定を受ける必要があり、指定されたこれらの病院などを保険医療機関と呼び、薬局は保険薬局と呼ばれています。
保険医療機関の申請
保険医療機関として指定を受けるためには、次のように申請手続きが必要になります。
病院など医療機関の事業経営者は、保険医療機関指定申請書と規定されている必要書類を用意します。
申請手続きを行う病院等が所在する地域管轄の地方社会保険事務局長に申請種類を提出します。また、保険薬局として指定を受ける場合の申請手続きも、原則、保険医療機関が行う必要がある申請手順と同じです。
保険医とは何か?
病院や薬局に勤務している医師や薬剤師が保険診療を行う為には、厚生労働大臣より健康保険法の定めに従い登録された保険医(医師・歯科医師)、保険薬剤師であることが法的に義務付けされています。
保険医の申請
保険医として医師や歯科医師が登録を得たい場合、保険医登録申請書と必要書類を地方社会保険事務局長へ届け出する必要があります。
医療機関に勤務医がいる場合は勤務地の地方社会保険事務局長へ、医療機関に勤務医がいない場合は住所地の地方社会保険事務局長へ、2拠点以上の医療機関に勤務医が従事している場合は主に診療活動を行っている勤務地の地方社会保険事務局長へ、必要書類と共に保険医登録申請書での申請を行う必要があります。
保険医の登録取り消し
保険医として認定登録されれば、問題を起こし登録抹消処分などを受けた場合を除き、保険医の登録を取り消しされることはありません。
従事する保険医療機関や住所が変わっても、規定されている保険医の申請手続きを行えば引き続き保険医として勤務し診療行為を行うことが可能です。
保険薬剤師の申請・登録
薬局に勤務し保険薬剤師として仕事を行うには、健康保険法の定めに従い厚生労働大臣より認可登録を受ける必要があります。
申請手続きから登録までのステップは、保険医における手続きと同じ手順で実施されます。
診療方針は療養担当規則で規定されている
保険医の診療方針は、療養担当規則にて具体的に規定されています。
診療に関しての規定概要
患者が病気や傷害を負い診療を要すると判断される場合は、保険医が診療行為を行うにあたり、適切で正確な診断を行い、患者の健康を保ち増進出来るよう努めなければなりません。
療養・指導に関しての規定概要
保険医は、診療行為を行う際、下記事項に留意して患者に指導することが求められています。
- 懇切丁寧に診察すること。
- 療養する際に必要となる内容については患者が容易に理解できるよう指導すること。
- 医学上からの視点・観点を常に意識し、患者の心身状態を的確に把握・観察し、肉体面だけでなく、精神面についても健康の維持増進を図れるように適切な指導を行うこと。
- 予防や環境上の衛生理念を患者が無理なく徐々に理解を深められるよう適切な指導を行うこと。
療養担当規則の主な記載内容
厚生労働省令として制定された健康保険法では、保険医療機関と保険医が保険診療を実施する際、厳守すべき規定項目が記載されており、第1章においては、保険医療機関の療養担当について、第2章においては、保険医の診療方針について規定されており、主に次のような項目が定められています。
- 療養の給付の担当の範囲(第 1 条)
- 療養の給付の担当方針(第 2 条)
- 適正な手続の確保(第 2 条の 3)
- 経済上の利益の提供による誘引の禁止(第 2 条の 4 の 2)
- 特定の保険薬局への患者誘導の禁止(第 2 条の 5、第 19 条の 3)、処方せんの交付(第23 条)
- 特定の保険薬局への患者誘導の禁止(第 2 条の 5、第 19 条の 3)、処方せんの交付(第23 条)
- 施術の同意(第 17 条)
- 特殊療法・研究的診療等の禁止(第 18 条、第 19 条、第 20 条)
- 健康診断の禁止(第 20 条)
- 濃厚(過剰)診療の禁止(第 20 条)
- 適正な費用の請求の確保(第 23 条の 2)
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