医療事務は病院の窓口で患者に応対する業務や診療報酬を請求するためのレセプト作成などを行う仕事がメインになります。
では、医療事務の仕事に就くには、どんな能力や適性が求められているのでしょうか。
医療事務になるための5つの能力・適性とは
1. 基本知識を身に付ける!
医療事務の業務のうちで最も重要な仕事としてレセプト業務が挙げられます。
医療機関が実施した診察・投薬・検査・治療・手術など患者に施した医療サービスの費用をきちんと受け取るために行う仕事です。
医療事務が中心になってこの業務を担うため、円滑に正確にレセプト業務を行うために必要となる知識や技能を習得することが必須になります。
この業務をしっかりと行うことができなければ、医療事務の仕事は成り立ちません。
具体的に実務で必要な内容は、医療保険制度の種類としくみ、診療録(カルテ)の記載内容を理解する際に必要となる医学用語や医療の基本知識、診療報酬算定の知識とレセプト作成スキルなどが挙げられます。
診療費については、受診した患者から質問される場合もあるので、的確に回答できるように準備し状況を把握しておくことも求められます。
2. 患者応対マナーを身に付ける!
患者に対するサービス業務で最も重要なのが、受付窓□での応対業務です。
窓口に来た患者の応対を行う際は、一旦仕事の手を止めて、笑顔で丁寧にわかりやすく話すことを常日頃から心がけておくことが大切です。
また、受付窓□はフロア全体を見渡せる位置にあるので、困っていたり体調が悪そうな患者がおられないかどうか気配りし、もし見かけたら早く声かけを行い、適切な処置が必要になる場合は状況に応じて臨機応変に対応するようにします。
特に、高齢者の場合は、話している内容をしっかり聞いてあげることが大切で、不安や心配になる気持ちを理解し受け止めてあげようとする思いやりを持つ姿勢が大切です。
患者に対する応対は周りの他の患者も常に見ているわけですから、いつでも適切に対応するという意識をもっておく必要があります。
医療医務の受付は患者という人を相手にする接客業ともいえるので、人と話したり交流したりすることが好きということも適性要件の一つになります。
3. 患者個人情報など守秘義務の厳守!
医療医務は、患者さんの診療録(カルテ)などを始めとして、多くの個人情報やプラーバシーを扱う仕事です。
患者さんの住所、氏名、生年月日、保険情報、病歴、診療歴など患者のプライベート情報を全て知ることができる職種です。
このような業種独特の特異性から医療事務に課せられている責任には重いものがあります。
なので、カルテなどの書類管理は特に厳格に行うことは当然で、業務上で入手し知り得た個人情報は、自分の家族や第三者などに口外したり漏らしたりすることは、絶対にしてはなりません。
医療事務には、守秘義務を厳守するとう重大な責任があります。
4. パソコン操作スキルは必須!
最近では、多くの医療機関が診療報酬算定をレセプトコンピュータ(略語:レセコン)等を導入して処理しています。
都度データを入力すれば、コンピュータが自動的に算定しチェックまで行ってくれるようなシステムになっています。
そのため、医療事務の仕事を行うためには、パソコンの基本知識や操作技能も大切なスキルです。
但し、医療機関が導入しているコンピューター算定システムは、それぞれ種類が違うので、医事コンピュータについて学習し基礎知識がある場合でも、まず各医療機関で使用されている個々のシステムを理解し操作などに慣れていくことから取り組む必要があります。
5. 調査・確認する能力も大切!
いくら診療報酬をコンピュータを使って自動で算定できるとは言っても、保険者に診療報酬請求する場合は、必ず入力洩れや入力間違いなど問題がないかどうかを確認する必要があります。
特に診療報酬明細書(レセプト)の作成を行う場合は、分量の多い診療報酬点数表を調べながら算定する必要があるので、自分が見たい個所を素早く探し出せる工夫や技能も必要になります。
レセプト提出後、診療費の請求内容を保険者側で審査しますが、もし間違いや不備がある場合は返戻といって、審査支払機関からレセプトが返却される場合があります。
返戻があれば、医療事務担当者は、医療保険内容や診療報酬点数表などを再度調べ直して不備がある個所を訂正して保険者に診療費の再請求を行う必要があります。
なので、コンピューターを導入していても診療報酬算定については、専門的な知識についてもより深く理解しておくことが大切です。
特に、医療事務のメイン業務である診療報酬請求業務については、返戻になると請求した診療費が支給されず医業経営にも悪影響を与えることになるので、ミスは許されません。
このことから医療事務は、的確に洩れなく調べる能力や細かくチェックできる几帳面さなどが求められる職種とも言えます。