大学病院の医療事務はどの部署に所属するの?
医療事務として規模の大きい大学病院などで働く場合は、事務部門の医事課に配属されて業務を行うことになるのが一般的です。
大学病院は規模がかなり大きいため、診療部門、看護部門、薬剤部門、事務部門などの部門に大きく分かれており、各部門には、職種ごとに部署がそれぞれ設けられ分担制で仕事が進められていきます。
また、医事課内には、医療情報管理室などが設けられカルテ管理が行われています。
大学病院のの組織体制例
部門 | 部署 | |
院長|副院長 | 診療 |
内科、消化器科、泌尿器科、
外科、整形外科、 産婦人科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、 リハビリテーション科、麻酔科 |
看護 |
外来課、救急課、
病床課、手術室 |
|
薬剤 | ― | |
事務 |
総務課・人事課、
経理課、用度課、 医事課(医療情報管理室) |
病院の顔となる外来業務担当の医療事務
大規模な病院では1日に200〜300人の外来患者が来院することは珍しくありませんが、その際には外来の受付窓口にいる医療事務が患者と最初に応対することになります。
初診患者の場合は、保険証の確認、診察券やカルテの発行、診察室への案内、診察後には診療費を算定し、会計で自己負担分の医療費の請求などを行うことになります。
受付担当の医療事務員は、直に患者と接する機会が病院内でも最も多く、対応の良し悪しで病院のイメージに影響を与える可能性があり、その意味では重要な業務であるといえます。
医療事務にはオーダリングシステムの入力洩れチェックの役割もある
大規模病院になると、組織も分業化されている上、膨大な量の情報を迅速に処理する必要があるので、オーダリングシステムを導入し合理化を図ろうとしている大学病院が近年では増加しています。
オーダリングシステムでは、病院内の各部門がLANで繋がっており、医師がコンピュータに診療した内容を打ち込むと看護、放射線などの部署や医事会計コンピュータにも内容が自動で伝達され、診療報酬や一部負担金についても素早く自動計算されるというものです。
大変便利なシステムですが、診療内容を入力するには人ですから、その際に間違って入力すれば、LAN構築され自動計算までしてくれる高度なシステムでも全く意味がないので、医療事務職員は入力ミスがないかをしっかりとチェックする必要があります。
病棟クラークの医療事務は看護師のサポートも行う
入院している患者数が多いというのも大学病院などの特徴ですが、そこで働く看護師は多忙を極めます。
なので、事務的なことについてサポートをするのも病棟クラーク業務に携わる医療事務の重要な役目で、 入院病棟全般に係わり次のような業務サポートを行います。
- 電話やナースコールの応対
- 入院カルテの整理
- 用度品の発注や管理
- 患者から診療内容や費用相談に適宜対応
大学病院の医事課で働く医療事務職の実態
ローテーションでいろいろな仕事を経験できる
大きい病院は、仕事も多く次のような業務もローテーションが1時間単位で組まれているところもあり、いろいろな仕事を担当して経験を積むこともできます。
- オペレーション業務:診療費を計算するためパソコンに診療カルテ内容を入力します。
- レジ業務:会計業務です。
- 診療報酬請求業務:レセプトの作成や点検を行います。
いろんな職種の人と交流ができる
大学病院へ就職するのは、やはり安定感があり安心できますし、病院内スタッフや関連企業スタッフも多く、いろいろな業種・職種に携わっている方と交流ができるのも自分の視野を広げることに繋がります。
保険の種類により診療報酬は報酬割合や請求先が異なり、医療事務経験が浅い頃は的確に理解できるようになるまである程度の時間がかかります。
大きい病院の場合はスタッフが多くいるので、医事課の先輩や他課のスタッフから指摘や指導なども受けられ、いろいろな方からフォローしたり教えてもらったりすることができるのも魅力です。
大学病院に勤める医療事務の1日の業務
大学病院の医事課で働く医療事務の1日の業務は、どのようなものか見てみましょう。
時間 | 業務 | 内容 |
8:30〜 | 診療開始 |
ミーティング終了後、患者の応対・案内を開始する。
月数回は夜間診療などのカルテ整理を行うために始業開始1時間前に出勤する場合もある。 |
9:00 〜 | チェッカー |
患者が診察を終了すれば支払いの受付を行う。
支払いを自動精算機で処理するため会計伝票を受け取り診察内容の確認を行う。 |
10:00 〜 | オペレーション | 医師が記載した会計伝票の診療内容を確認しながらパソコンに入力し診療費点数計算を行う。 |
11:00 〜 | 会計レジ | 自動精算機が使えない患者の支払いの受付を担当する。 |
12:00〜 | オペレーション | 午前中の作業内容と同様で、診療内容をパソコン入力して診療費の点数を算出する。 |
13:00〜 | 昼休み | 1時間の交代制で休みを取り、昼食は病院に設置されている食堂を利用することが多い。 |
14:00〜 | チェッカー | 午前中の作業と同様で、患者が診察終了後、支払い受付を行う。 |
15:00〜 | レセプト作成・点検 |
月末から翌月10日までにレセプト作成し提出を行う。
月初には、レセプトが差し戻されるので、不備を再確認して再請求を行う。 医療事務の仕事では一番神経を使う大変な業務。 |
18:00〜 |
診療終了
片づけ |
予約人数が多い場合は、定刻の診療終了時間より1時間以上、診察時間が長引いて後にずれ込む時もあり、その場合の対応は交代で行うことになる。 |