医療事務の実務経験を積みながら学び続けることでキャリアアップが可能
医療事務は、医療機関で働き実務経験を積みながら現在持っている資格だけに留まらず、医療事務に関する資格や、役立つ他分野の資格取得を目指し、専門的な知識や技能を習得することで、自分の付加価値を高めキャリアアップを図り活躍の場を広げることが出来る職種です。
同じ職場でキャリアアップを図る場合、転職又は独立してキャリアアップを図る場合、取得済の資格の上位資格や、医療事務関連の未取得資格を目指せば、幅広い専門知識やスキルを身に付けることができるため、職種の選択肢が広くなり、より条件のよい環境や職場での就業が可能となります。
また、一見すると医療事務と直接関係ないように思える資格の中には、医療事務の仕事の幅を広げるのに役立つ資格も存在します。
例えば、秘書検定は、接遇の知識を学び接客能力やコミュニケーション能力を高め患者応対に役立てることができ、パソコン関連資格は、コンピューターの基本操作や、エクセル・ワード・パワーポイントの使い方なども学べ、レセプトコンピュータや電子カルテ導入などIT化が進む医療機関では必要となる技能です。
英語など語学関連の資格は、院長秘書業務や外国人患者応対などに役立ちますし、介護・福祉関連の資格は、超高齢社会においては、高齢者の患者応対でも役立てることが出来ます。
医療事務のキャリアアップと役立つ資格
医療事務の資格取得後、キャリアアップを目指す場合、どういう方向性で仕事の幅を広げていきたいのかを決める必要がありますが、大きくは次の3つのパターンが考えられます。
1. 医療事務としての専門性を深めていきたい場合
医療事務資格の中には等級がある資格があるので、既に2級を取得済であれば上級の1級資格取得を目標にするなど上位ランクの等級にチャレンジします。
等級がある医療事務関連の資格には、次のようなものがあります。
- 医療事務(医科)能力検定試験(1級・2級・3級)
- 医療情報実務能力検定試験(1級・2級)
- ホスピタルコンシェルジュ検定試験(1級・2級・3級)
- 医事コンピュータ技能検定試験(準1級・2級・3級)
- 医療秘書技能検定試験(1級・準1級・2級・3級)
2. 医療事務の業務の幅を広げていきたい
医療秘書関連の資格、医師事務作業補助者関連の資格、診療情報管理の資格などの取得を目指します。
医療秘書の資格では、医療秘書技能検定試験が、医師事務作業補助者の資格では、医師事務作業補助業務実務能力認定試験や医師事務作業補助技能認定試験が有名です。
診療情報管理の資格は、診療報酬業務の高度なスキルを証明できる資格として、診療情報管理に関する次の資格があります。
- 診療情報管理士:
診療記録をコンピュータを活用し管理・分析する専門職種で、患者治療・医療研究・医療教育に活かすことを目的として、正確に診療記録を読み解き情報処理を行います。 - 病歴記録管理士:
病院内の各部署に有益な医療情報を提供する目的で、医師が記録するカルテ、院内各診療科スタッフの診療情報を収集して診療管理録を策定します。
3. 自分の付加価値を向上させたい場合
医療事務の資格以外にも、医療事務の現場で必要な資格、役立つ資格、将来有効な資格があります。
例えば、秘書検定、マイクロソフトオフィス関連資格、英語技能検定、介護事務関連の資格なども医療事務の仕事に役立てることが出来ます。
秘書技能に関する資格
秘書技能検定などが代表的な資格です。
接遇・マナーに関連する知識や技能を学び、患者の応対や接遇、院内スタッフや患者とのコミュニケーション能力を向上させることが出来ます。
パソコン技能に関する資格
パソコン検定試験、マイクロソフトオフィススペシヤリスト、日本語文書処理技能検定試験などが認知度の高い有名な資格です。
医療事務の仕事はパソコンでの文書資料の作成業務も多くあり、レセプトコンピュータ・電子カルテ・電子レセプトなどを導入している医療機関も多いので、コンピュータに関する操作技能や文書・表作成ソフトの使い方を身に付けておくことは業務上不可欠です。
英語技能に関する資格
実用英語技能検定、TOEICテストは一般的によく知られている有名な資格です。
院長や医師を補佐する医療秘書業務に就いた場合は、会話や翻訳などの英語力が必要になる場合があります。また、最近は病院に来院する外国人患者も多く、英語を必要とする機会も増えています。
来日外国人が増加していることから英語力は医療事務にも必要なスキルの一つになりつつあります。
介護事務に関する資格
ケアクラーク技能認定試験、福祉事務管理技能検定試験などが認知度の高い介護関連資格です。
医療事務と介護事務は、医療保険制度を学ぶ上での共通科目がある資格です。
日本社会では高齢者比率が増加し超高齢社会で要介護者は増加の一途をたどっているため、介護施設も増加しています。
そのため、介護報酬請求事務の専門家である介護事務が活躍できる場も多くなっています。