医療事務の試験は学科と実技がある
医療事務の資格試験は、次の2つについて出題されるので、自分に適した勉強方法で効率的に学ぶのがポイントです。
- 学科試験…医療事務に必要となる知識について出題
- 実技試験…レセプト作成について出題
過去の出題問題などが市販されていたり、資格認定団体のホームページ上に公開されているので、一度ダウンロードして確認しておくとよいと思います。
学科試験のポイントは三点
学科試験は、主に次の3点について出題されます。
- 医療法規関連:医療保険制度、医療関連法規など
- 医学・歯学・薬学の基礎的知識:カルテ読み取りに必要な用語知識など
- 保険請求事務の知識と技能:保険請求事務の手順、診療報酬点数算定方法、レセプトの記入作成方法など
実技試験はレセプト作成がメイン
実技試験は、主に次の点について出題され技能を審査する試験です。
- カルテからレセプトを作成する
- 作成したレセプト点検を行う
実技試験は、電卓や診療報酬点数表の持ち込み可能となっている試験がほとんどですが、レセプト作成手順や診療報酬点数表の見方に慣れ、頭の中で整理し理解しておかなければ、決められた試験時間内で出題問題をこなすのは厳しいと思います。
診療報酬点数表や診療報酬請求事務の実技試験対策本などは、書店やネットでいろいろな種類が市販されています。
また、窓口対応や接遇マナーを実技試験として審査するところもあります。
医療事務の資格試験で必ず必要となる知識
医療法規関連の専門知識について
診療報酬の改定は2年に1回実施されますし、医療保険制度や医療関連法規も改訂が行われますので、丸暗記するのはあまり意味がありません。
なので、健康保険の種類、医療費負担制度、医師法・薬事法などの制度や法規の種類および概略を、大雑把でよいので全体を理解するようにします。
それから、最新の改訂内容、頻繁に出題される問題などに絞って勉強するほうが効率的に学習できます。
また、医療保険制度や法規の改訂情報に合わせて実際の業務に反映させるために、資格取得し就職した後も、学習し続ける必要があります。
医学・歯学・薬学の専門知識について
資格試験に合格するためには、100くらいの専門用語の意味と使用例を理解し記憶する必要があり、近年、医学用語はドイツ語より英語が主になってきています。
専門用語以外にも、各分野によって次の知識も必要です。
- 医学…人体の構造・各器官・疾病についての知識
- 歯学…口腔についての知識
- 薬学…薬についての知識
診療報酬請求事務の専門知識について
診療報酬明細書(レセプト)の知識は、診療報酬請求事務を行う際に必要になります。
診療費を保険者に請求するために、項目別に診療内容を点数に置き換えた書類を診療報酬明細書(レセプト)と呼びます。
医科、歯科、調剤ごとに診療報酬点数表があるので、それに基づき点数を加算して合計点を算出します。
合計点から、患者の自己負担金と、保険者(健康保険組合等)などに請求する金額を算出するというのがレセプト業務の流れです。
通常2年ごとに診療報酬点数は改訂されるので、保険請求事務の内容もリンクして改訂され、医療事務職員も改訂毎に学習する必要があります。
診療報酬明細書(レセプト)について学ぶ際は、丸暗記するのではなく、レセプトの作成方法や診療報酬の算定方法などについての概要を大まかに学習してから、個々の項目について理解していくという勉強方法がいいと思います。
医科・歯科・調剤の資格試験で出題される内容の違い
医科・歯科・調剤の各試験で出される問題や試験内容には、違いがあります。
特にレセプト業務に関しての知識や算定方法は異なっているので、自分が就職したい医療機関は最初にはっきりと決めておいた方が、どの講座を受けるか迷わずに済みます。
医科の医療機関で働きたいのに歯科医療事務や調剤事務の資格を取ってもほとんど役に立ちません。
また、カルテに関する試験では、医科試験では医学用語、歯科試験では歯学用語の問題が出されます。
よって、歯科、医科、調剤薬局など、どの医療機関へ就職するかが必然的に決まることになっていきます。
医科医療事務の主な資格試験内容
- 各種保険の概要
- 医療関連法規
- 医療事務コンピュータ
- 薬理学
- 画像診断
- 投薬・注射・検査・手術料・入院料・処置・リハビリテーションの点数計算
- 診療報酬レセプトの作成法
歯科医療事務の主な資格試験内容
- 各種保険の概要
- 歯の基礎知識
- 義歯・ブリッジに関する知識
- 口腔外科
- 歯周疾患・う蝕・歯髄・歯根膜炎の治療
- 歯科診療報酬レセプトの作成法
調剤事務の主な資格試験内容
- 各種保険の概要
- 薬剤の基礎知識
- 調剤基本料の計算
- 調剤報酬の算定方法
- 調剤報酬レセプト作成法